真田父子について

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”真田父子”は歴史系に分類される小説です。
本作は三編編成となっています。
”真田父子1”から順にお読み頂ければ幸いです。

真田父子1
真田父子2
真田父子3

目次




忍び佐助

砥石の居館にいた幸村は姉のお国が夫の小山田茂誠とともに上田の城に来たと聞いて上田城へ向かった。
幸村は砥石の居館に住んでいる。
昌幸も上田城に幸村の居館を造ろうとしているのだが、まず、長女のお国とその夫の居館を造って招いた。
小山田茂誠は高遠で戦死した小山田備中守の子である。
幸村は久しぶりに姉と会えることが楽しみだった。
幸村は一人馬を駆って進んでいると眼の前に三人の牢人風の男たちが立ちはだかった。
「どいてもらおうか」
幸村が馬上で言うのも聞かず牢人たちは刀を構えた。
幸村が相手をしようとすると、木の上から二人の男が幸村めがけて飛び降りてきた。
馬から落ちた幸村は反撃をしたが、後ろから一人に斬りかかられ、かろうじてよけると、また他の一人がやってくる。
「身分のある武士に違いない。金を奪え」
五人で襲いかかられると幸村ひとりでは支えきれない。
(こんなやつらに)
幸村といえどもまだ十八歳である。焦れば焦るほど追いつめられていく。
「よし、今だ」
頭らしき男の声でどんどん迫ってくる。
(おれはこんなやつらに)
そのとき、風を裂く音とともに手裏剣が飛んできて男に命中した。
そしてもう二つ。
「うっ」
うめきながら三人の男が怯んだ。
その隙に幸村は他の二人を薙ぎ払った。
牢人たちが引き揚げたあと、木蔭から小さな男があらわれた。
「佐助か」
幸村には佐助が立派な忍びに思えた。
「お前が助けてくれたのか」
「私は幸村さまのために働きとうございます」
幸村は佐助を頼もしく思った。
(佐助は立派な忍びになりおった。おれはそれに見合う大将にならねば)

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